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授乳中のママの食事は母乳に影響している?

2019.03.18

元気な赤ちゃんが生まれて嬉しい気持ちとは裏腹に、子育てに不安を抱えているママも少なくないでしょう。赤ちゃんのことで頭がいっぱいでどうしてもご自身のことは後回しになりがちになってしまいますよね。しかし、そんな子育てで忙しい中でも、授乳中の食事には十分に気を付けておかなければなりません。そこで、授乳中に気を付けておきたい食事内容と食事を制限することによる母乳への影響について解説していきます。

授乳中の食事はバランス良く

授乳中の食事はバランス良く

妊娠中は、お腹の中にいる赤ちゃんに栄養が行き渡るようにと食事に気を付けていたママが多いはずです。しかし、食事に気をつけなければならないのは妊娠中だけではありません。実は子どもが生まれた後、授乳中の食事にも気を配る必要があります。

なぜなら、赤ちゃんの栄養となる母乳は、ママの血液が乳腺と呼ばれる場所を通り母乳となるため、ママが食事で口にした栄養素によって母乳の成分が変化してしまうことがあり、授乳中の食事が間接的に赤ちゃんの健康につながっているからです。

主食、副菜、主菜、乳製品、果物をバランスよく

具体的にどのように食事を摂っていけばよいのでしょうか?厚生労働省の「授乳婦の食事摂取基準」※1によると、授乳中は通常時よりも350 kcal多くエネルギーを摂ることが推奨されています。350kcalはごはんに換算すると、ごはん茶碗大盛1杯分くらいの量です。

しかし、ごはんの量だけ増やすことは栄養バランスの観点からよくありません。厚生労働省の「妊産婦のための食事バランスガイド」※2によると、主食、主菜、副菜、乳製品、果実を少しずつ増やすイメージで食事量を調整することが推奨されています。

目安として、主食はごはん小盛1杯、主菜は納豆1パック、副菜は野菜サラダ1皿、乳製品はヨーグルト1パック、果実はみかん1個程度くらいを1日の食事で増やすイメージです。

これらに限らず5代栄養素である「炭水化物」、「たんぱく質」や「脂質」、さらに「ビタミン」や「ミネラル」といった栄養素が、偏りなくバランスよく摂れているかいつも気を付けてくださいね。

食物繊維にも気を付けて

このように、授乳中はただ多くのエネルギーを摂るのではなく、栄養バランスを考えた食事を摂ることが大切になりますが、もうひとつ意識したいのが食物繊維の摂取です。食物繊維は、便通をよくしてくれるものとして知られていますが、腸内細菌である善玉菌とも深い関連があります。善玉菌は水溶性の食物繊維やオリゴ糖をエサとしているため、悪玉菌が増殖し善玉菌とのバランスが乱れないよう、善玉菌を増殖させるうえでも食物繊維を積極的に摂ると良いでしょう。

食物繊維は穀物・イモ類・海藻類・きのこ類に多く含まれている成分です。特に日本人の平均食物繊維摂取量は減少傾向にあるため、五代栄養素と合わせて意識して食事に取り入れてみましょう。※3

授乳中に控えたほうがよい食べ物・飲み物は?

授乳中に控えたほうがよい食べ物・飲み物は?

授乳中は食事のバランスだけでなく、特定の成分の過剰摂取にも気を付ける必要があります。場合によっては、特定の食べ物や飲料を摂りすぎると母乳の質を悪くする可能性があります。

それでは、どのような食べ物や飲み物に注意すれば良いのでしょうか。授乳中に控えたほうがよい食事について紹介します。

脂肪の多い食べ物

脂肪を多く摂りすぎると母乳の脂肪分も多くなり、乳管が詰まりやすくなったり、乳腺炎の原因になる可能性があります。脂肪の多いファーストフードや肉類中心の食事ではなく、脂肪の少ない和食中心の食事を摂る事をおすすめします。

アルコール

アルコールは妊娠中も授乳中もやめるのが原則です。授乳中にアルコールを飲むと、母乳中のアルコール濃度は最大でママの血中アルコール濃度と同じぐらいまで上昇するといわれています。さらに、飲酒量が多い場合は、ママの授乳分泌量が減少したり、アルコール分解が赤ちゃんの負担となって発達が遅れる恐れがあります。赤ちゃんの健康のためにも、アルコールの摂取は控えましょう。

コーヒーやカフェイン

カフェインは、覚醒作用や強心作用(交感神経の刺激)があります。コーヒーをはじめ、玉露入りの緑茶、紅茶、ウーロン茶などさまざまな飲料に含まれる成分です。

カフェインは母乳を介して赤ちゃんに移行し、また、カフェインを摂りすぎとしまうと乳汁分泌が減少すると言われています。とはいいつつもコーヒーなら1日2~3杯であれば乳汁分泌に影響はないとされているのでガブ飲みするようでなければ問題はないでしょう。カフェインを断つ必要まではありませんが、気になる場合はカフェインの入っていない麦茶などの代替品を利用するとよいでしょう。

授乳中の食事制限は母乳に影響するのか?

授乳中の食事制限は母乳に影響するのか?

妊娠で太ってしまったと感じ、ダイエットを決意するママも少なくありません。妊娠中は行動が制限されるため、筋力が落ち、脂肪がつきやすくなるためです。さらに出産に伴い、骨盤も広がることで体形が変化し太ってしまったように感じます。中には太ったというよりは、妊娠中と産後の変化でお腹がたるんでしまうなど、多くのママは妊娠前よりも体型が変わったと感じているのです。

とは言いつつも、授乳中にダイエットをすることは果たしてよいのでしょうか。

授乳中のダイエットは二の次に

痩せるための手っ取り早い方法として食事を制限する方法もありますが、授乳中はママが口にした栄養を赤ちゃんが間接的に摂取することになります。前述した通り、授乳中は通常時よりも350 kcal多くエネルギーを摂ることが推奨されています。ただでさえ妊娠前よりも多くのエネルギーと栄養素を摂らなければいけないのに、そこで食事を制限してしまえば、母乳の質や量にも影響してきます。赤ちゃんの健康を考え、母乳による授乳中の期間は無理に食事を制限するのはやめましょう。

ダイエットするのは授乳の期間が終わってからでもできるので、まずはママにとって何が一番大切なのかを十分に考えるようにしてくださいね。

授乳をすれば痩せるのか?

授乳することによって体重が自然に落ちたという声もありますが、必ずしも授乳することで痩せるとは限りません。運動不足や年齢を重ねることによる基礎代謝の低下が原因であったり、慣れない子育てによってストレスが溜まると、そのストレスを食事で発散しようとつい暴飲暴食してしまいなかなか痩せられないママもいます。もちろん、授乳によってママの体内の水分量は減るので体重は減少するかもしれませんが、それは一時的なものです。

授乳中は食事を制限せずに運動を

どうしても体型が気になる方は食事を制限するのではなく適度な運動をしてください。運動不足が続くと筋力の低下とともに基礎代謝の低下を招き、結果的に太ることにつながってしまいます。実際には子育てが忙しくてなかなか運動する時間が取れないママも多くいると思いますが、忙しい時間の合間や日常生活の中に、いかに運動を取り入れていくかがポイントです。料理を作りながら、歯磨きをしながらの"ながら運動"でもよいので、動くことを意識すると良いでしょう。適度な運動であれば、母乳の栄養を大きく損ねることはありません。授乳中のちょっとした行動の積み重ねが、授乳後のダイエットの成果に大きく影響することでしょう。

まとめ

母乳は赤ちゃんの健康にもかかわるからこそ、妊娠中だけでなく授乳中も食事内容についてしっかり配慮する必要があります。栄養のバランスや摂取カロリー、授乳中に控えるべき食事を意識しながら、毎日の食生活を見直してみましょう。また、授乳中の食事制限によるダイエットは母乳の量や質に影響します。第一に、赤ちゃんの健やかな成長を考えて行動するにようにしましょう。

※1 厚生労働省「授乳婦の食事摂取基準」
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000114401.pdf

※2 厚生労働省「妊産婦のための食事バランスガイド」
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/dl/h0201-3b02.pdf

※3 厚生労働省「食物繊維の必要性と健康」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html

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