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焼酎は他のお酒とどう違う?焼酎のつくり方についてのご紹介

2019.03.29

焼酎一つにしてもさまざまな種類があり、飲み方によっていろんな楽しみができる、至福のひと時にはぴったりの焼酎。多くの焼酎ファンがいる一方で、焼酎と他のお酒との違いがよく分からない人もいることでしょう。
果たして焼酎は他のお酒と何が違うのでしょうか?基本的な焼酎のつくり方についても触れながら、焼酎の種類と特徴を見ていきましょう。

「蒸留酒」?「醸造酒」?お酒の分類を知ろう

そもそもお酒にはとても多くの種類がありますが、一般的に大きく「醸造酒」「蒸溜酒」「混成酒」の3つに分類されます。それぞれの違いを見ていきましょう。

醸造酒

醸造酒は、ブドウなどの果実や米や麦などの穀物を原料として造ったワインや日本酒、ビールのこと。一般的に、アルコール度数は蒸溜酒よりも低く、高くても20度くらいです。果実を原料とする場合は、原料そのものに糖が含まれているので、そのまま酵母を加えることでアルコール発酵をさせることができます。しかし、日本酒の原料となる米や、ビールの原料である麦は、デンプンを糖に変化させてからアルコール発酵させる必要があります。

蒸溜酒

蒸溜酒

蒸溜酒は、原料を発酵させた醸造酒を、さらに蒸留させてつくったお酒。焼酎をはじめとし、ウイスキー、ブランデー、ウォッカ、ジン、ラム、泡盛などが該当します。醸造酒を加熱して蒸発させ、その蒸気を冷やすことで、さらにアルコール度数の高いお酒をつくることができ、焼酎をはじめ、ウイスキーやブランデー、ウォッカなどはアルコール濃度が40度を超えるほど高くなります。

混成酒

混成酒とは、醸造酒や蒸溜酒に果実やハーブ、香料、糖分などを加えて造ったお酒のこと。ベースとなるお酒の種類や割合によってアルコール度数も異なるため、梅酒やリキュールだけでなく調味料であるみりんも混成酒の一種に含まれます。

焼酎の製法とは

焼酎の製法とは

蒸留酒に分類される焼酎は、酒税法で次のように定義されています。
『アルコール含有物を蒸溜した酒類のうち、A 「連続式蒸溜機で蒸溜したもので、アルコール分36度未満」、B「 単式蒸溜機で蒸溜したもので、アルコール分45度以下」のもので、ウイスキー、ブランデー、ウオッカ、ラム、ジンなどに該当しないもの』※1

また、焼酎には「甲類」と「乙類」の2種類があり、それぞれ蒸溜機の違いによって分けられています。連続して蒸溜できる連続式蒸溜機を使って蒸溜したものが甲類、一回ずつしか蒸溜できない単式蒸溜機を使って蒸溜したものが乙類です。甲類はピュアな味わいが特徴で、カクテルのベースにしたり梅酒をつくるなど、さまざまな飲み方を楽しめます。一方の乙類は原料の風味を活かした味わいが特徴で、お湯割り、水割りなど、焼酎そのものの風味を素直に楽しむ飲み方がオススメです。

焼酎づくりの工程

焼酎づくりの工程

焼酎のつくり方は、甲類と乙類とで異なりますが、ここでは乙類における焼酎づくりの工程をご紹介します。アサヒグループでは、大きく4つの工程に分けており、①一次もろみ②二次もろみ③蒸溜・熟成④パッケージングを経て焼酎をつくり上げ出荷しています。それぞれの工程を見ていきましょう。

①一次もろみ

焼酎は、主原料となるサツマイモや米、麦などの他に、麹と酵母、水からつくられます。まず、蒸し上げた麦や米などに「麹菌の胞子(もやし)」をかけて「麹」をつくります。そして、出来上がった麹に水と焼酎酵母を加えて発酵させる工程が「一次もろみ」です。

②二次もろみ

「一次もろみ」に、風味の決め手となる蒸し上げた米や大麦、そばなどの主原料を加えてさらに発酵させる工程が「二次もろみ」です。発酵の具合を何度も確かめながら二次もろみの工程を進めていきます。主原料を何にするかで焼酎の種類が違ってきます。

③蒸溜・熟成

乙類では、単式蒸溜機にて加熱、蒸溜を行い、その後一定期間貯蔵し熟成させることで原酒ができます。アサヒグループの商品の中には4か月間もの期間をかけてじっくりと熟成させてつくり上げているものもあります。

④パッケージング

一定期間熟成させた原酒は、ブレンドされた後、充填ラインに送られ、瓶や紙パックに詰めるパッケージングを行なって出荷します。

パッケージング

このようにざっくりと工程を説明しましたが、そのほかにも出来上がった焼酎をお客様の元へお届けする前に成分分析を行うだけでなく、担当者が自らの五感によって品質のチェックを徹底して行っています。※2 ※3

焼酎には様々な種類がある!それぞれの風味や味わいの特徴

麦焼酎「かのか」

ひと言で焼酎といっても、使用する原料によって味わいや風味などが異なり、実に様々な味わいがあります。焼酎の原料には、麦やサツマイモ、米、トウモロコシ、そばなどがありますが、その中でも代表的な麦、サツマイモ、米を使った焼酎の特長を、アサヒグループの焼酎ブランドである「かのか」を例に挙げご紹介します。

麦焼酎「かのか」

"よい香り"という意味から、「かのか(佳の香)」と名付けており、ほどよくふくらみのある飲み口と雑味のないすっきりとした後味、飲み進めるほどに心地よい麦焼酎です。

また、優良酵母を用い低温で丁寧に醸造したもろみから、香りと味わいの豊かな部分を贅沢に引き出した「香り蒸溜仕上げ原酒」を使用し、三種のこだわり原酒と焼酎甲類の調和によって、麦本来の味わいときれいな後味を実現しました。すっきりとした味わいで、様々な料理と合うのが特長です。

芋焼酎「かのか黒麹・白麹あわせ仕上げ」

サツマイモ

コクとキレの味わいをあわせ持つサツマイモ「黄金千貫」を原料とした黒麹原酒と、芋らしい芳醇な香りを持つ白麹原酒をブレンドしていることから、「あわせ仕上げ」と名付けています。芳醇でありながら軽やかな口当たりが特長です。

芋焼酎の原料となるサツマイモにはいくつかの種類がありますが、最もポピュラーなのは黄金千貫です。他には、紅さつま、紅あずま、ジョイホワイト、などがありますが、芋焼酎は、原料に使用するサツマイモの種類でも、風味や味わいが異なります。その中でも黄金千貫は、デンプンが他のサツマイモに比べ多く含まれているため、焼酎に仕上げたときに芋本来の甘みを引き出してくれます。

米焼酎「かのか」 

米を使ったお酒といえば、日本酒を思い浮かべる人が多いかと思いますが、米焼酎も多くの方から支持されている焼酎です。
米焼酎「かのか」では、原料に国産米だけを使用し、米本来の旨みを求め、吟醸酵母を用いて丁寧に仕込んでいます。"米焼酎かのか"は、まろやかな香りと澄み切った味わいが特長の米焼酎です。

まとめ

焼酎は泡盛やウイスキー、ブランデーなどの蒸留酒に分類されます。また、焼酎は①一次もろみ②二次もろみ③蒸溜・熟成④パッケージングといった工程を経てつくられています。原料や製法の違いによって味わいや風味が異なりますので、ぜひさまざまな種類の焼酎を飲んでみて、お気に入りの1本を見つけてください。

※1 国税庁 焼酎に関するもの
https://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/sake/abc/abc-shochu.htm

※2 焼酎の基礎知識
https://www.asahibeer.co.jp/enjoy/shochu/process/basic.html

※3 門司工場での焼酎の製造工程
https://www.asahibeer.co.jp/enjoy/shochu/process/monji_01.html