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腸内環境(腸内フローラ)とは?

ヒトや動物のおなか(腸)の中には、多種多様な細菌が住んでおり、顕微鏡で見ると、まるで草叢のようにグループを形成しているため、腸内フローラ(細菌叢)と呼ばれています。
また、便の1/3~半分は細菌が占めているといわれています。おなかの中でも大腸は空気(酸素)のほとんど無い嫌気的な状態といわれ、酸素が存在する環境では生育しにくい菌が、約90%を占めます。乳酸菌は酸素がなくとも生き続けることのできる細菌ですが、酸素があっても死ぬことはありません。

腸内菌叢を変動させる要因は?

腸内菌叢は食事やストレスなどによって変動します。

◎たんぱく質が多いと…

たんぱく質はヒトの消化酵素で分解されてアミノ酸になり、そのアミノ酸を腸内細菌が分解してアンモニア、フェノール、クレゾール、インドール等の有害物質をつくりだします。これらの物質は細胞に毒性があり、発ガンを促進するといわれています。

◎脂肪が多いと…

脂肪を多量に摂取すると腸内にコレステロールや胆汁酸の濃度が高まり、腸内の悪玉菌によって二次胆汁酸やコレステロール代謝物が生成され、それらによっても発ガンが促進されるといわれています。

これらに関わる腸内細菌の酵素は、腸内環境が中性の時に良く働くといわれています。

◎糖質を取ると…

オリゴ糖などは消化管で分解・吸収されずに、大腸内の有用な菌に利用されます。とくにビフィズス菌を増殖促進する作用があります。

健康でいるためには腸内環境が大事

酸素が存在すると生育しにくい菌として、バクテロイデス、ユウバクテリウム、ビフィズス菌、クロストリジウムなどがあります。また、空気中でも存在できる菌には、大腸菌、腸球菌などがあります。いずれも腸内には、善玉菌・悪玉菌が入り混じっており、善玉菌が優勢になる腸内環境をつくりだすことが健康な体を維持するうえで大切になってきます。
コラム(2) <腸内にいつから細菌がすみつくの?>

赤ちゃんは無菌の状態で生まれ、誕生と同時に細菌が体の中に入っていき、やがて定着します。赤ちゃんの腸内はビフィズス菌が優勢なため、便はヨーグルトのような甘酸っぱい臭いをしていますが、成長するにつれて、善玉菌や悪玉菌が体内に入り、大腸にすみついて腸内細菌叢を形成します。高齢になってくると善玉菌のビフィズス菌が減少し、悪玉菌のウェルシュ菌などが増加してきます。

 善玉菌と悪玉菌
腸内環境(腸内フローラ)とは?善玉菌と悪玉菌