1. トップページ
  2. 研究開発
  3. 技術広報誌モノコア(monocore)
  4. 「減らす」で増えた!おいしい選択肢

「減らす」で増えた!おいしい選択肢

2019.06.28

「減らす」で増えた!おいしい選択肢

おいしい食べ物や飲み物は私たちを幸せにしてくれます。 しかし、それらは概して高カロリーだったり、気になる成分が多く含まれていることも。 「余分な成分は摂りたくないけど、おいしいものを食べたい!」という声に応えるべく、 研究者たちは様々な技術で気になる成分を“減らし”ながら、おいしい味づくりに挑戦しています。

私たちに身近な「カロリーオフ」のはなし

健康志向が高まる中、技術の力でおいしさを守りながら、気になる成分をカットした商品がたくさん登場しています。例えば、甘くておいしいのに低カロリーなソフトドリンク。カロリーの主な要因となる砂糖の代わりに高甘味度甘味料を使用することで、カロリーオフを実現しています。

高甘味度甘味料は砂糖に比べて数百倍も甘みが強いため、ほんのわずかな量でも十分な甘さを感じることができるのです。例えば一般的な飲料では、砂糖からつくられたスクラロースや、天然の植物から抽出したステビアなどを使用します。高甘味度甘味料は種類により甘みの特長が異なるため、ただ単に加えるだけでは目指す味を実現できません。どの甘味料を使用するか、どのように組み合わせるかは開発者の腕の見せどころ。

このように年々高まる「減らす」ニーズに対し、技術開発を進めることでカロリーや糖質、プリン体オフなどを実現し、お客さまの選択肢を増やす商品開発に挑戦しています。

STUDY01「糖質の正体を知ろう」

What’s 糖質?

糖質は「糖」が1~2個つながったもの(ブドウ糖やスクロースなど)と、たくさんつながったもの(でんぷんなど)で主に構成されています。これら糖質は、甘いものに限らず、穀物、いも類、豆類や果物など、多くの食べ物に含まれます。糖質は体を動かすための主要なエネルギー源で、摂取してから素早くエネルギーになるという特長があります。一方であまり多くの糖質を摂取すると、脂肪として体に蓄積されてしまうのです。

 

アサヒの「減らす」技術 ~ビール中の糖質を減らすには~

ビール中の糖質は大部分が麦芽由来のでんぷん。そのため麦芽を減らせば糖質も低減できますが、ビール本来のうま味が損なわれることも。そこで麦芽をたっぷりと使用しながらも糖質を減らす方法として、発酵を担う「酵母」に目をつけました。発酵とは、でんぷんが分解されできた糖を酵母が食べて、アルコールと炭酸ガスをつくり出すこと。そのため、発酵の工程において酵母が糖をたくさん食べるようにすることが、糖質低減のカギとなります。

  1. 1. 発酵前の仕込み工程で、でんぷんを十分に分解しておくことで、酵母が食べられる糖の量を増やす
  2. 2. 酵母がより活発に糖を食べるように発酵工程の温度などを調節し、環境を整える

STUDY02「プリン体の正体を知ろう」

What’s プリン体?

プリン体とは細胞内の核に含まれる、DNAの主成分。実は、体内にあるプリン体の8割は、細胞の代謝によって体の中で生成されています。また、うまみ成分でもあるプリン体は、肉や魚、穀物などほとんどの食品に含まれており、私たちは日々食事からも摂取しているのです。そしてプリン体は尿酸に分解され排出されます。体内の尿酸は常におおむね一定量を保っていますが、プリン体の過剰摂取は尿酸量の増加につながることも。

 

アサヒの「減らす」技術 ~ビール中のプリン体を減らすには~

ビールには、酵母由来のプリン体が多く含まれています。しかし、酵母はビールづくりに欠かすことのできない存在。十分な量の酵母を使いながら、プリン体を低減するために必要となるのは、酵母そのものを扱う技術でした。酵母は細胞内に核を持っており、体内にプリン体を含んでいます。発酵の際、酵母の健康状態が悪くなるとビール中にプリン体が溶け出してしまうため、酵母を健康に保つことが重要であると分かりました。

  1. 1. 仕込み工程で、酵母の栄養となるアミノ酸などの量を整える

  2. 2. 発酵工程の厳密な温度管理により、酵母の健康状態を維持する

甘いのに、体脂肪が減る!?ー独自の乳酸菌由来成分が脂質代謝を活性化ー

〈カラダカルピス〉商品画像

〈「カラダカルピス」500〉は、体脂肪を減らす機能がある機能性表示食品です。カロリーゼロながらも〈カルピス〉の甘く爽やかな味わいが楽しめるうえ、体脂肪対策ができるこの商品、一体なぜ体脂肪を減らすことができるのでしょうか?

その秘密は独自の「乳酸菌CP1563株」にあります。〈カルピス〉由来の乳酸菌科学によって選び抜かれたこの乳酸菌は、脂肪を燃やす「酵素」を活性化させる10-ヒドロキシオクタデカン酸(10-HOA)という成分を含んでいます。この10-HOAの働きにより、肝臓や筋肉での脂質代謝が活発になり、脂肪がエネルギーに変化、結果的に体脂肪が減少すると考えられています。

・本品には独自の乳酸菌CP1563株由来の10-ヒドロキシオクタデカン酸(10-HOA)が含まれ、体脂肪を減らす機能があるので、肥満気味の方に適しています。
・本品は、国の許可を受けたものではありません。
・本品は、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。
・食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。

関連リンク

■〈カラダカルピス〉 ブランドサイト
https://www.calpis.info/karada-calpis/

関連記事

  • アサヒグループの技術広報誌「monocore(モノコア)」第2号発行

    2019.06.28

    R&Dニュース【お知らせ】

    アサヒグループの技術広報誌「monocore(モノコア)」第2号発行

    アサヒグループ技術広報誌「monocore(モノコア)」第2号を発行しました。今回のテーマは「マイナスから生まれる価値」です。近年、整理術の世界的な流行や、シン...(続きをみる

    • 商品開発
    • 基盤技術
    • 豊かな食文化

monocore TOPに戻る