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R&Dニュース

【新商品の技術トピック】
『アサヒ グランマイルド』のおいしさを支える2つの技術をご紹介

2018.04.17

『アサヒ グランマイルド』のおいしさを支える2つの技術をご紹介

アサヒビール株式会社では、食後などのくつろぎのシーンに「ゆっくり楽しめる」をコンセプトに、アルコール7%でやわらかなコクが続く味わいが特徴の生ビール『アサヒ グランマイルド』を開発しました。

時間をかけて飲んだ場合でも、おいしさを持続させるために採用した独自の技術をご紹介します。


2つの「香り」をコントロールし、時間が経ってもおいしさを持続させる技術

アルコール度数が高いビールは、時間の経過とともに増加する「もったりとした穀物香」や「アルコール臭」により、ゆっくり時間をかけて楽しむことが難しい、という課題がありました。この課題解決のため、『アサヒ グランマイルド』では2つの独自技術を採用しています。

1つめの技術は、ビールの定義変更で使用可能となる副原料を使い、香気をコントロールすることで、主に「もったりとした穀物香」を抑制する技術です。

ビールの飲み応えやコク感は、主原料である麦芽由来の香味成分によってもたらされますが、同時に「穀物香」と言われる特有の臭い成分も多く含んでいます。
この臭いは、低温下よりも常温下でより強くなるという傾向があり、ビールをゆっくりと時間をかけて楽しむ際の嗜好性を低下させる原因となっていました。
そこで、ハーブの一種である「レモングラス」由来の香気成分が、麦由来の飲み応えを保ちながらも「穀物香」を抑制させるという技術を活用しました。
この製法により、液温が常温に近づいても穀物香が抑制され、ゆっくりと時間をかけて楽しむ飲用シーンにおいてもおいしさを持続させることに成功しました。

2つの「香り」をコントロールし、 時間が経ってもおいしさを持続させる技術 ビール

2つめの技術は、原料となる麦芽由来の成分によって、「アルコール臭」を抑制する技術です。一般的にアルコール度数が高くなるほどアルコール特有の香りが強くなり、嗜好性に影響を与えます。
これに対し、麦芽由来の香気成分が「アルコール臭」を抑制することを発見し、この香気成分をビールの仕込み段階で増大させる技術を開発しました。
これにより、高アルコールでありながらも、やわらかい飲みやすさを実現しています。


酒税法改正を機に新たなビールの価値を創造

2018年4月1日の酒税法改正により、副原料として果実や香辛料などの使用定義が見直され、ビール開発の可能性が大きく拡大しました。『アサヒ グランマイルド』で使用した「レモングラス」も、今回の改正に伴いビールに使用できるようになった副原料の1つです。麦芽の使用比率最適化や新規副原料の採用によって、味のバリエーションを増やすだけでなく、長年培った技術を活かして新しいビールの価値を創出する機会がさらに増えると考えています。
今後も、確かな技術を支えとした商品開発を通じて、酒類をはじめとした食品の新価値を創造してまいります。