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学会発表

Val-Pro-Pro、Ile-Pro-Proを含む食品の摂取が冷え性に与える影響

発表年月
2012年03月
発表者
○野中 敦子、中村 哲平、大木 浩司、池谷 敏郎1
カルピス(株) 発酵応用研究所
1 池谷医院
学会
日本農芸化学会2012年度大会
概要
【発表内容】

[目的]
 カゼイン由来トリペプチドVal-Pro-Pro(VPP)、Ile-Pro-Pro(IPP)はACE阻害活性を有し、血圧低下作用を示すことが報告されている。さらに近年、VPP、IPPは血管内皮機能改善作用、血管拡張作用を示すことが明らかとなっており、血流改善や血流と関連する自覚症状(冷え性など)の改善に有用である可能性が考えられる。そこで、本研究ではVPP、IPPを含む食品の摂取が冷え性に与える影響とそのメカニズムについて検討することを目的とした。

[方法と結果]

 試験1:冷え性を自覚する30~50歳の女性11名を対象にVPP、IPP含有カゼイン加水分解物のタブレットを4週間摂取させ、摂取前後に冷水負荷試験、アンケート調査を行った。冷水負荷試験では右手の甲から先を15℃の冷水に3分間浸した後、サーモグラフィーにより表面温度を経時的に測定し、回復の程度を評価した。アンケート調査では冷え性に関する15項目について、自覚症状を5段階で評価させた。その結果、冷水負荷30分後の手の表面温度が摂取前後で上昇する傾向、すなわち体温回復が高まる傾向が認められた。アンケート結果では、「手足の冷え」「腰の冷え」「肩凝り」など8項目について摂取前後で有意に改善し、冷え性の自覚症状の改善が認められた。

 試験2:ヘアレスマウスにVPP、IPPを単回経口投与し、レーザードップラー血流計により背部の血流量を測定し、同時にサーモグラフィーにより背部の表面温度を測定した。その結果、対照群と比較して背部の血流量に有意な増加が認められた。また、背部の表面温度についても有意な上昇が認められた。

[考察]
 VPP、IPPを含む食品の摂取は冷え性を改善する可能性が示唆された。また、そのメカニズムの一つとして、VPP、IPPが血流量を増加させることにより、体温を上昇させる作用が推察された。
関連キーワード
血流