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【受賞レポート】 「ビール工場排水を利用した燃料電池(SOFC)による発電技術開発」が「第28回日経地球環境技術賞」において優秀賞を受賞!

2019.01.04

「ビール工場排水を利用した燃料電池(SOFC)による発電技術開発」が「第28回日経地球環境技術賞」において優秀賞を受賞!


20181129日、東京都大手町にて、「第28回日経地球環境技術賞」の表彰式が行われました。表彰式では、アサヒグループホールディングス(株)の「ビール工場排水処理副生メタンガスを用いたSOFC発電技術開発」が優秀賞を受賞しました。

※SOFC:固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell)


■「日経地球環境技術賞」とは

温暖化防止、新エネルギーや省エネルギー、資源・物質循環、自然環境・生態系保全など地球環境の持続可能性を確立するための技術開発、研究や調査について独自性、将来性や実現性を総合判断し表彰されるもので、本年で28回目となります。


二酸化炭素の排出量削減に向けた取組み

現在、地球温暖化防止に対する意識は世界中で高まっており、多岐に渡る取り組みが各国で行われています。アサヒグループでは、工場や物流部門での省エネ化、再生可能エネルギーの活用など、様々な観点から二酸化炭素の排出量削減に向けて取り組んでいます。研究開発部門でも、革新的な技術の開発を通じて、持続可能な社会の実現に挑戦しています。今回受賞したのは、その中の取り組みのひとつ、「ビール工場排水処理副生メタンガスを用いたSOFC発電技術開発」です。


工場排水をクリーンな発電につなげる技術

メタンガスから不純物を除去するシステム
メタンガスから不純物を除去するシステム

開発したのは、ビール工場の排水から得られる「メタンガス」を、発電時の二酸化炭素排出量を大幅に抑えることができる「燃料電池」発電に活用する技術。

アサヒグループでは、国内にあるビール工場の排水をメタン発酵法により処理し、メタンガスを得ています。このメタンガスは、通常ボイラーの燃料などにそのまま利用していますが、燃料電池に用いるためには、電池を不活性化させる不純物を除去する必要がありました。そこで燃料電池を不活性化させる要因を分析し、得られたメタンガスから目的の不純物だけを正確に除去するプロセスを構築しました。こうしてできたきれいなメタンガスを燃料に使用することで、燃料電池による発電試験を6,500時間継続しています(201812月現在)。この技術は、排水処理設備を導入している食品工場においても応用できる可能性があり、広く二酸化炭素排出量削減へ寄与するとして、今回評価されました。

今後さらなる長時間の稼働を目指し、技術をブラッシュアップして参ります。


<技術開発者のコメント>

アサヒグループホールディングス(株)R&Dセンター 川村公人
アサヒグループホールディングス(株)  R&Dセンター 川村 公人

アサヒグループは、COP21において採択されたパリ協定に基づき、日本が提出した約束草案を守るべく、様々な技術開発に取り組んでいます。その中で我々が開発・実現した技術が社外の有識者の皆様に認められた事は、望外の喜びであり、関係の方々に深く感謝いたします。

本件は、まだ技術開発に成功した段階であり、これから工場に実装する事が本番となります。そのために、これから更なる努力と時間が必要だと考えています。そしていつの日か、私たちの技術が世界中の工場排水をエネルギーに変える日が来る事を楽しみに、竹田君と一緒に後輩の皆さんにバトンを繋いでいきたいと考えております。



アサヒグループホールディングス(株)プロセス開発研究所 竹田健一郎
アサヒグループホールディングス(株) プロセス開発研究所 竹田 健一郎

このたびは第28回日経地球環境技術賞の優秀賞を受賞することができ大変光栄に思います。今回の受賞は共同研究先の九州大学や協力会社の皆様に支えられ得られた成果であると考えています。今後はこれまで研究してきた技術開発を着実に前進させ、次の世代の人達に繋いでいきたいと思います。



2019年5月、10,000時間の連続発電に成功!

精製したバイオガスの性能検証のため、20184月より九州大学次世代燃料電池産学連携研究センターと共同で、発電試験を実施しました。この試験は、固体酸化物形燃料電池(以下SOFC、三菱日立パワーシステムズ社製)の一部を用い、アサヒグループと九州大学が共同で開発した試験用バイオ燃料電池発電装置で実施しました。
試験運転を継続した結果、2019年5月に10,000時間の連続発電に成功しました。長時間発電を継続しても、ほぼ一定の出力を維持しており、被毒物質による発電阻害も見られなかったことから、今回開発した手法で精製したメタンガスは、燃料電池発電の燃料として実用可能であることが確認できました。

今後は実用スケールでの検証を続けていきます。

1万時間試験発電成功を喜ぶアサヒグループの社員(2019年5月、九州大学にて)
1万時間試験発電成功を喜ぶアサヒグループの社員(2019年5月、九州大学にて)
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