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挑戦する研究者たち挑戦する研究者たち

活躍の場は世界に!広がる市場と可能性! オーストラリアを舞台に、期待を超える商品を多くの人々に届けたい。

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Asahi Beverages(Australia)
アサヒ ビバレッジズ(オーストラリア)
伊藤 正文(写真右)
Guy Hansson(写真左)

世界の各地で活躍するアサヒグループの研究開発者たち。日本で清涼飲料や酎ハイなどの商品開発を極め、今は日本とオーストラリアの懸け橋となり、化学反応のようにオーストラリアの飲料市場に新たな旋風を巻き起こす伊藤。かたや、欧州の大手酒類メーカーで東欧やロシアの商品開発をリードし、オーストラリアに転身したGuy。アサヒ ビバレッジズ オーストラリア社の研究所Science & Innovation(以後、「S&I)で、イノベーションを起こし続ける2人に、オーストラリアでの活動と、将来の展望を聞いた。

―伊藤さんは、日本で清涼飲料や酎ハイなどの新商品の開発業務をけん引してきたと聞きました

伊藤 私はアサヒ飲料社に入社し、商品開発を行う研究所で「三ツ矢」や「ウィルキンソン」といった主力ブランドの商品開発を行ってきました。また、アサヒビール社に出向し、清涼飲料で培った技術を活かした酎ハイの開発や、新商品開発のための新しいスキーム作りを行い、商品開発の高度化、先鋭化、合理化などを行ってきました。

―様々なことを経験されているのですね

伊藤 商品開発では原材料の選定やレシピ作りだけでなく、原材料の規格設定、微生物制御技術、分析管理など、品質保証の観点での技術や知識も必要です。それから、生産管理部門に所属したこともあり、工場での新商品の立ち上げなども行ってきました。工場では、商品の製造に必要な原材料の受け入れから、出荷までの一連の製造工程に関わることで、メーカーとしての様々な技術を学び、商品開発・生産管理を通じて売り上げや品質向上に貢献できたと思っています。

―そのように活躍されている中、海外赴任が決まった時は、どう思いましたか

伊藤 入社当初、飲料業界はドメスティックな産業だと思っていましたので、まさか海外赴任するチャンスが巡ってくるとは思っていませんでした。しかし、急速にグローバル化が進む社会の流れの中で、アサヒグループでも海外飲料メーカーのM&Aをはじめとした海外展開を積極的に進めるようになりました。2009年にオーストラリアの飲料メーカーであるシュウェップス オーストラリア社(現:アサヒ ビバレッジズ社)がアサヒグループ入りしたことをきっかけに、私自身も海外のグループ飲料会社への技術支援やコラボレーション施策を推進する担当になりました。そういった中で、オーストラリアシュウェップス社とは、定期的にカンファレンスを行ったり、オーストラリアにもたびたび出張することになりました。また、オーストラリアのグループ会社のひとつである香料会社ともコラボレーションをしていたこともあり、赴任の辞令をもらった時は、新たなチャレンジにわくわくした思いを持ちました。

―オーストラリアとのつながりがあったとはいえ、初めての海外赴任は大変なこともあったのではないでしょうか

伊藤 最初は英語でのコミュニケーションが大変でした。ここは、物価が高く、洗濯機の性能が悪い()。しかし、こちらの人は初対面でもフレンドリーで皆優しいですね。治安や衛生面でも安全ですし、気候的にも過ごしやすく、すぐに生活に慣れることができました。

―仕事を進めるうえでは、文化の違いで困ったこともあったと思います。どのようにオーストラリアのビジネスに対応されたのでしょうか。

こちらの人たちは、皆個性を認め合い、個性や個人に対して干渉はしません。とても自分の家族を大切にします。一見個人主義のように思われますが、一方、この研究所のメンバーは、とてもチームワークを大切にして仕事をしています。週末や仕事の後にはレクリエーションも頻繁に行われています。本当にみんな仲が良く、そのため仕事はやりやすいですね。仕事を進める上では、日本のやり方やスタイルを押しつけないようにしています。どんな時もメンバーとダイレクトなコミュニケーションをとることで、いつの間にかS&Iメンバーに溶けこみ、皆とプロジェクトを動かしていました。

―Guyさんは今までどのようなキャリアを積んでこられたのでしょうか

Guy 私は欧州の大手酒類メーカーに所属し、ヨーロッパ全域、特にロシアと東ヨーロッパでの酒類の商品開発をリードしてきました。その後、新しいビジネスへの挑戦のため、オーストラリアのアサヒ ビバレッジズ社に入りました。


―現在はどのような仕事をされているのでしょうか

Guy 新商品開発部門のマネージャーとして、清涼飲料を中心に酒類の商品開発も手掛けています。

―今、オーストラリアの飲料市場の課題はどんなことでしょうか

Guy オーストラリアの清涼飲料市場は非常に成熟しており、また強力な競争相手がいることもあり、より差別化した商品を生み出す必要があります。また、オーストラリアでは肥満が大きな問題となっており、砂糖税の導入も検討されています。従って、飲料の開発においてもシュガーリダクションが大きな課題となっています。

―そのような課題に対して、日本とはどのような取り組みを行っているのでしょうか

Guy 商品の差別化を行うためには、新しい技術や新しい素材の導入が必要です。日本の開発チームとも定期的にミーティングを行い、情報交換をしています。伊藤さんは、日本での経験が豊富で、様々な提案をしてくれます。伊藤さんとともに課題を明確にし、日本の研究開発チームと、具体的な解決方法をディスカッションしています。

―日本にいる開発チームとはどのようにコミュニケーションをとっているのでしょうか

Guy やはり対面でのコミュニケーションが重要です。日本のメンバーと相互に訪問することはなかなかできないので、テレビ会議が中心となります。日本のチームと一緒に仕事をすると、同じテーマで議論しても視点の違いや発想も異なるので、いろいろな面で刺激になります。

―伊藤さん、Guyさんやオーストラリアのメンバーとはどのように仕事に取組んでいるのでしょうか

伊藤 各プロジェクトに入って、日本の技術がどのように生かせるのか、日本の技術をどのようにカスタマイズすればよいのか、日本のどのセクションを巻き込んだらよいのか、といったことを彼らに提案しています。しかし日本とは技術の必要性についても判断基準が異なりますので、日本式の押し付けにならないように、オーストラリアの市場や環境に適した技術パッケージを提案するようにしています。

―Guyさん、日本のチームとは様々なテーマについて取り組みを行っているようですが、特に成果につながったことはどのようなことでしょうか

Guy 先程も述べたように、シュガーリダクションが大きな課題となっています。我々も数年前からローシュガー飲料や甘味料を使用しないフレーバードウォーターの商品ラインナップを増やしていますが、更なるシュガーリダクションや無糖飲料の商品開発のためのイノベーションを日本チームと進めています。近いうちに日本のチームと協業して開発した新商品の発売を予定しており、大きな期待を持っています。それと同時に知的財産の確保にも日本のチームや伊藤さんから、強力なアドバイスをもらいました。

―シュガーリダクションは、世界に共通する大きな課題ですね  世界を経験したGuyさんからみて、オーストラリアの飲料ビジネスの難しさや面白さといったとことはどんなことでしょうか。

Guy オーストラリアは成熟した市場ではありますが、新商品開発の世界は、変化し続けなければなりません。そのことはどの国でも同じです。それに対応し続けることは大変難しいことではあります。しかし、その中で課題を見つけ出し、新しい機会を切り開き、まったく新しい方法で課題にアプローチすることは、とても刺激的です。

―Guyさんの今後の目標を教えてください

Guy 飲料ビジネスにおける技術的リーダーとして成長し続けることですね。ビジネスに新たな機会を提供し、それに対して技術的な機能をフル回転させ、会社を成長させたい。

―伊藤さんの今後の目標は何でしょうか

伊藤 オーストラリアで取り組んでいるそれぞれのプロジェクトで、今までにないアイデアを提案し、商品を通じてお客様に期待を超える価値を提供することで、オーストラリア事業を成長させること。日本に戻った後も、グループの海外飲料事業を大きく発展させる技術者として、プロジェクトを引っ張りたいですね。

―伊藤さん、若い人たちへのメッセージはありますか

私は仕事を通じて、海外も含め様々な部署で多くの知見を得ることができ、仕事の幅を広げるだけでなく、新たな世界観を養うこともできました。これは大きな財産です。アサヒグループにはいろいろな可能性があり、その可能性はますます広がっています。新しい発想とパワーを持った若い人たちと一緒に、今までにないチャレンジをしたいですね。(2018年12月3日取材)